インターネット上では、クラウド会計ソフトの広告が増え、クラウド会計へ世の中が移行しているように感じませんか?
しかし、実際はどうなのでしょうか?現在の会計ソフトシェアの実態と、そこから導き出される企業規模にあった会計ソフトとは?
今まで50社以上の中小企業の会計に携わってきたコンサルタント監修のもと、わかりやすくご紹介したいと思います。
会計ソフトのシェアは?
中小企業の会計ソフトのシェアは?
中小企業の会計ソフトのシェアをまずは見ていきたいと思います。
こちらの表をご覧ください。

出典はノークリサーチさんの2019年版の中小企業の会計ソフトの利用実績(n=602)となります。
上位5社までを見てみましょう。
- 勘定奉行
- 弥生会計
- GLOVIAシリーズ
- SMILEシリーズ
- OBIC7会計情報システム
と、会計ソフトでは王道のメーカーが並んでいます。
こちらの表からは、中小企業では、クラウド会計ソフトはほとんど利用されていないことがわかります。
実際、現場ではどうか?というと、
税理士事務所での中小企業や個人事業主を見ていても、創業期ではない中小企業に限ってはインストール型の会計ソフトを使っている企業は多く、また、一度導入した会計ソフトを変更するということはありませんでした。
個人事業主・フリーランスの会計ソフトのシェアは?
次に、個人事業主の会計ソフトに関してみてみたいと思います。
同じ調査がなかったので、まずはフリーランスが会計ソフトを使っているか?という根本的な部分を利用率で見たいと思います。

こちらの2021年5月にUPされたMM総研のグラフを引用したものを見てみると、
- 会計ソフトを利用していない人が56.9%
と、過半数以上を占めています。
更に、会計ソフトの中でもクラウド会計ソフトを使っている割合は26.3%PCインストール型が61.1%と
- インストール型が過半数を占めていることがわかります。
この状況から導きだれるのは、
クラウド会計ソフトの実態としては、まだ市場に出てきたばかりで、中小企業も個人事業主も利用している事業者はまだ少数である
ということがわかりました。
ただ、2019年の同様の調査がありましたので、下記に参照してみましたが、こちらからはクラウド会計ソフトの導入企業が増えていることがわかります。
これは、各クラウド会計ソフトの企業の宣伝効果と言えるのではないでしょうか。

クラウド会計ソフト導入がオススメな事業者とは?
しかし、中小企業にクラウド会計が実際使われていない理由にははっきりとした理由があげられます。その理由は
- そもそも会計ソフト導入時にクラウド会計ソフトがなかった
- 既に使っているソフトを変えるのは大変である
- 経理という機密性が高いものをクラウドで行うことに抵抗がある人が多い
などが大きい理由と考えられています。
更には中小企業でそこそこ中堅の規模になると、経理担当者も人事担当者もそれぞれ存在しており、ソフトも使いこなせるので、極端に値段が変わらない限りは変える必要性がそこまで感じられないのかもしれません。
個人事業主が会計ソフトを使っていない理由は、おそらく、使わなくてもある程度の売上であればエクセルレベルや、やよいの白色申告オンライン などで無料で出来るからでしょう。
こういった状況からも、クラウド会計を使用するのにオススメな事業者は
- 創業期の企業
- 少数企業でリモートで仕事をしていきたいと考えている企業
- 一人社長か一人管理で経理以外の仕事も同時に行う場合
などが挙げられます。
まとめ
会計ソフトのシェアを、中小企業・個人事業主別に見てきました。
思っていたよりもクラウド会計が進んではいない現状がわかりました。ただ、個人事業主において、少しずつクラウド会計が増えているのも事実です。
クラウド会計の導入に関して、導入経験者が書いたおすすめの記事がありますので、是非こちらを確認して比較検討してみてください。

